育てているのは作物だけじゃない人の繋がりも思いも実る農園へ
働いていたカフェで見当識障害(店をタクシー乗り場と思い込み、現状を理解できない)と思われる人をご家族の元へ送り届けた経験から、日常で看護の視点を活かせるのではないかと思いました。
落ち込んでいた時期に、土や自然と触れ合い心が洗われた経験から農業を始めました。草も木も土も私たちの周りには「元気」が溢れている事を、農業を通じて他の人にも伝えたいと考えました。
農業と何かを掛け合わせた活動をしたいと思っていたところ、奥大和コミュニティナース養成講座第2期を受講、その後奈良へ移住することを決心しました。
コミュニティ農園として、コメだけでなく人の繋がりも一緒に育てるおせっかいをしています。奈良盆地を見渡す静かな場所にあるので、人目を気にせず自然や生き物と触れ合えます。稲刈りや豆剥きなど季節に応じた農作業を一緒にする内に話が盛り上がり自分や家族の健康や介護などの深い話になることもあります。そうやって思い思いに自然の中で過ごした皆さんは一様に爽快な表情をして帰られ、「またいつでも農園に戻ってきてね」と思い見送るときが好きです。私もまた外のフィールドから戻ってくるときに「ただいま」が自然にこぼれるこの農園がとても大好きです。
・健康相談(温泉施設「奈良健康ランド」で週1回開催)
・農業(900坪の農園「ふくふくファーム」で米作りと蓮根掘り体験受け入れ)
・農園「ふくふくファーム」での「はたけの読書会」などのイベント開催
・他のコミナスたちと協力してイベント出展
講座終了後に「集会場で健康相談をしたい!」と町内会の人に相談を持ちかけたけれど、すぐには実現しませんでした。まずは町内での実績と信頼関係を築くことが必要だと気付き、早速行動に移しました。今では温泉施設「奈良健康ランド」での健康相談(週1回)が実現しています。
その健康相談でのとあるエピソード。常連さんの1人がセクハラ発言を次第にエスカレートさせる、という場面がありました。対応に困っておどおどしていたら、強面のスタッフさんが一喝しあっさり収束(笑)健康相談も、時にはメリハリが大事なんですね!
これまでの成果を認めていただき、温泉施設での健康相談が週1回から2回に増え、コミナスも1人から3人に増えたこと。仲間と相談し合えるようになったので、モチベーションが安定しています。若い世代の相談も増えて、定期的に人と繋がることが健康や喜びをつくるのだと日々実感しています。
農園では2年前から定期的に読書会を開いており、その参加者が田植えや稲刈りの手伝いにくることが増えました。農園に足を運んでいるうちに季節に沿った手仕事を知り、実際にイチから米を作り始めた人もいます。このようにひとつの目的から自然と別の関心が生まれ、学び、その過程で人と人が共通の関心でつながってゆく、そうしてまた次のつながりが生まれ…というまるで作物のようなそんな「育つ」つながりや、その過程を介して農園の四季を知って気軽に食べ物を作ることにチャレンジする人が増えたらいいなあと思っています。