急速に少子高齢化が進むこの村で伝統と自然におせっかいをプラス
甥っ子が、川上村の少年野球チームに所属し、お手伝いをしている中で、当時の川上村長をはじめ、役場職員の父兄の方との接点ができ、約3年、川上診療所や川上社協で勤務させていただきました。
次に、下市町のクリニックで勤務した時に訪問看護と出会いました。
病院や施設で亡くなる方が多いこの時代に、在宅での看取りを経験し、住み慣れた家で家族と過ごせることに感銘を受けました。
ただ、その期間は自身の出産、子育て期に入り、仕事と子育ての両立に悩んでいました。
そんな時に、川上村で「訪問看護よりもさらに地域に出て住民さんの見守りができる地域看護」の話が舞い込み、転職を決意し、コミナスとしての活動がスタートしました。
半年くらいは何がなんだかわからず動き続けて、その後にコミュニティナース養成講座@奥大和2期を受講しました。
現在は川上村役場の健康福祉課に所属し、日中は「かわかみらいふ」が実施する移動スーパーに同行し、その他の時間ではそこでキャッチした個別対応を行ったり、地域ケア会議やケース検討会議にも参加したりしています。
川上村は、国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した「地域別将来推計人口」にて、全国ワーストワンに位置づけられたことがある、急速に少子高齢化が進む山間地域の村です。役場は、かつては用事があれば行く場所でしたが、過疎化が進み、用事があっても行けないという状態になってきています。そこで、診療所や役場で住民が来るのを待つのではなく、移動スーパーと組み合わせて住民が暮らす地域に出向き、ひたすら「対話」「傾聴」を行い、暮らしを見守り続けて、今年で8年になります。
また、小さな村ならではだと思うのは、行政や包括支援センター、社会福祉協議会など関係機関の距離が近く、コミュニケーションの密度が濃いことです。事務職の方も専門職と変わらないフットワークでチームの一員として活躍してくださり、例えば障害者手帳の発行手続きに時間がかかり、役場に行けない方には、「今度いつ行きますね」と電話で予定を聞き、移動スーパーの際にお渡しするといった対応もできます。
ほかにも、移動スーパーの買い物には出てこない方でも、他の住民からカラオケが好きだと聞き、お誘いすると「カラオケだったら行くわ」と参加してくださることもありました。その時に、「こんなに嬉しそうな顔をするんだ」「歌も歌えるの!?」と驚かされることもあります。1対1のコミュニケーションよりも、周囲を巻き込んだ関係性が生まれることで、地域に関わるきっかけになるのです。気になるあの人だけでなく、みんなのコミュニティ全体を巻き込めており、住民だけでなく、役場や社協、診療所の方々も一緒に動けている。この感覚こそ、役場の「コミナス」ならではの豊かさだと感じます。
今年度実施したプログラムについての個別報告会でも、普段関わることの少ない役場職員とつながれる機会を、地域の方々はとても喜んでいました。地域の方々にとって、役場の職員は顔は知っていても話したことがなく、相談しにくい存在になりがちです。しかし、高齢者だけでなく、若い世代や働く世代とのつながりもあり、日々の訪問や企画の際には保健師や理学療法士も一緒に関わっているため、何かあった時に相談しやすい関係性が築けていると感じます。
講座では、自分の情熱と住民に求められることが重なる部分を見つけていくことを深掘りしていましたが、業務として動く中で、行政がコミナスに求めることも重ねていく必要があり、悩みながら活動を始めていたことを思い出します。
時々、突っ走ってしまうことがあり、上司や同僚から止められることもしばしば(笑)。
住民との距離感をある程度保ちながら関わる必要があるとは思うのですが、一人ひとりの距離感を掴まず、一律に深く関わろうとしてしまい、シャッターを閉められてしまうこともありました。また、おせっかいを焼いたつもりでも、相手にとってはタイミングが合っていなかったりすることも(笑)。
「行けるかな」と思い、自分のタイミングで声をかけたら、「その話はもうええねん」と断られてしまうこともありました。それでも、移動スーパーには来なくても、別の場所で会った際にあいさつしてもらえたので、タイミングや距離をみながら、これからも相手に寄り添う気持ちを大切にしたいと感じます。
都市部では、家族というコミュニティだけで生活する人が多いなか、村ではみんなの距離が近く、どこ行っても娘や孫みたいにに声をかけてもらえます。私が励まされたり相談したりすることもあり、そういう人間関係を、ありがたいなぁと感じます。純粋に自分のやりたいことができていて感謝しています!