前職もまちづくりの色が強い事業でした。これまでは人口が増え、経済も成長することを前提に、サービスが豊かになり、お金を払っていくという状況でした。しかし、ある程度豊かになった現在、お金を稼ぐことと幸福が比例しない世の中になってきたと感じています。私は、生まれた時から気候変動や戦争といった話題が身近にあり、お金があっても野菜や米が買えない状況や、社会や環境の変化によってによって日常が壊れる可能性があることを意識してきました。そのため、自分自身を含めた生存戦略として、どんな地域がよいのか、どんな暮らしや仕事のあり方が適しているのかを模索したいと考えていました。
学生時代の知り合い伝にローカルコープの存在を知りました。ローカルコープの目指していることが、自分の考えと共鳴する部分が多かったため、というよりも「ローカルコープに参加したい」という思いが強く、その結果、月ヶ瀬に来ました。
事業の考え方としては、お金を払ってサービスを受ける関係ではなく、皆で必要なものをどのように作っていくかを考えるイメージです。現在の福祉制度も、誰かが作り上げたものですが、生まれた時から制度が整っている世代にとっては、「行政がやってくれるもの」と期待する部分があるように感じています。しかし、過去の人口規模を前提に設計された仕組みがそのまま運用されると、現在の田舎では対応できず、「できないからやめる」という結論になってしまいます。
そうではなく、「どうすれば地域で暮らす人の主体性を育めるのか」という視点が重要であり、私はその点がコミナスとつながると感じています。その人が持っている力を引き出し、地域に還元することで、一方的に何かをやってもらう関係ではなく、楽しく成長できる生活のあり方に共感しています。
月ヶ瀬に来て実際に地域の人と関わる中で、「この人がいなくなったら寂しいな」と感じることがありました。また、コミュニティバスの運行や、資源回収BOXの削減後のサポートなどに携わる中で、地域の高齢者が孤立したり、困っていても「困っている」と言えない状況があることを知りました。福祉センターの方からも、「制度が使えるまでの数年間をうまくサポートしきれない」という課題があると聞き、純粋に自分にできることを考えています。
コミナスについては、ローカルコープや協力隊の方から「勉強してみたらいいかも」と話を聞きました。相手のやりたいことを引き出す力や技術があれば、現在の事業の中でもより深く関わることができると考えていました。そんな時、以前は山登りをしていた元気なおばあちゃんが難病になり、通院するようになりました。その方が「月ヶ瀬にもコミナスのような人がいたらいいのに」と話していたことが印象に残りました。また、地域の女子会の中で「子育てもあるけれどいつか地域医療に関わりたい」と考える方がいたこともあり、コミナスについて話題に上がることが増えていました。ちょうどその時、コミナスの講座があると聞き、受講することにしました。
コミュニティバス、資源回収、温泉の横のふれあい市場の野菜を奈良市の市街地の飲食店にお写真を送って注文を取って購入して日本郵政の空き車両を使って送るお仕事(直送便の手配)、自治会館に行って相談や関係づくり、宿泊施設の造成、ワーケーションルームONOONOの管理、自分ごと化会議の運営など。月ヶ瀬の未来の為に必要なことを色々と模索しています。
資源回収事業を改革していた時のことです。月ヶ瀬では元々資源回収を36箇所で行っていたのですが、6箇所に減らして24時間出していいよう変更し、奈良市全体でやっていた資源回収を月ヶ瀬だけ切り離し、売却益が月ヶ瀬に入るようにしました。
私たちとしては、月ヶ瀬のために、ここで暮らす人が最低限のインフラを自律的に整備して私たちの孫の代が月ヶ瀬にいられるように必要なことをなんとか取り組んでいるところではあるのですが、「何やっているのかよくわからん」といったことを耳にすることも少なくありません。
確かに、観光事業による町おこしのようなわかりやすさはありませんが、地域の人の声をリスペクトはしますが、自律した月ヶ瀬のためには、そのままでいいとも言い切れないと思っています。
毎日楽しいです!都市部にいた時にはできなかったことがいっぱい地域に転がっています。ニワトリを飼うようになったのですが、近所の方が「クズ米があるから持ってきたぞ」と餌をくださったり。やりたいと自分で思ったら普通は自分で全てやるしかないけど、ここだとやりたいことを発信したら手伝ってくれる人がいっぱいいて、だからできることがたくさんあって楽しいです。自分のやりたいを応援して見守ってくれる人がいることが、学生時代の一人暮らしでは感じられなかった、豊さを感じます。これだけみんなが顔見知りだということも楽しくて、すれ違う人とかにも挨拶できて、純粋に嬉しいです。自分が見守られていると感じ、ありがたいなと思います。