御所市 正寳(しょうほう)美穂さん
奥大和コミュニティナース養成講座での縁ではじまった実践
2018年、奥大和コミュニティナース養成講座に参加した正寳さん。講座で知り合った仲間の縁で、御所市で奈良コミナスの活動を始めました。
週3〜4日御所市のデイサービスで働きながら、伝統的な建物が並ぶ風情ある「御所まち」の中に立地する、大正時代に建てられた空き家の掃除やリノベーションを仲間たちと進めることから始まりました。
わたしの得意は「食」と「足のケア」
観光や建築、農業、ITなどさまざまな仕事を持つメンバーが集う中、正寳さんの得 意は「食」と「足のケア」。
整形外科クリニックに勤務していたころ、高齢になるほど血流を良くしたり転倒リスクを下げたりするために足のケアが重要であるにもかかわらず、いつもそれが後回しにされることに疑問を持っていました。足の悩み相談やケアをきっかけに、まちの人に来てもらいやすい場所をつくりたいと日々奮闘していました。
まずは自分が楽しもう! いつの間にか仲間が増えていきました
41歳で看護師資格を取得した正寳さん。最初に講座を受けた当時を振り返り、周囲と自分を比較してプレッシャーを感じてしまい「すごくしんどい時期が続いていた 」と。
しかし「まず自分が楽しもう!」と腹を括り、がむしゃらに動き回ると引き寄せら れるように仲間が増えて行きました。「スローペースだけど、”やりたいね”とただ 言うだけで終わらせずに、ひとつずつ実現していきたい」と話しています。
実践を繰り返すうちに進化していく
2024年現在、御所市を離れた正寳さんは有料老人ホームの看護師として週3回程度働きながら、不定期でクリニックでも働くスタイルに変化しました。 「私の活動はコミナスの実践と言えるのかな?」と遠慮がちに話しはじめた内容は、活動の中身も活動場所も幅が広がっています。
御所市で縁のあった方の健康相談を続けていたり、新たに月2回奈良健康ランドでの健康相談を行なったりしています。
また、防災士の資格を取得した正寳さんは、奈良県各地で「あいすのぼう」というチームで防災啓発事業をしています。今後は防災対策の講座も行うそうです。
自分だからこその役割を楽しみながら実践
「私の役割は人や場所を“つなぐ”ことだと思っています。人や場所とのつながりで起 こる相乗効果を楽しんでいます」
「(奈良コミナスの実践を繰り返すうちに)いろんな事があったけど、チャレンジがまた新しい形を生み出してくれています」
実践を繰り返してきた正寳さんだからこそ語れるトライアンドエラー。辛いことがあったときは、奈良コミナスに助けられながらここまで来られたと話しています。
自身の役割を認識し、楽しみながら実践を続けている正寳さんは、以前より強く優しく進化されているようでした。